時には修理品に合わせたフェルール

ハーディ式ステップダウンフェルール

Hardy式Stepdown Ferrule

京北クラフトが終了してから毎日修理作業に追われています。
見積りはだいぶ前にご提示差上げていたのですが、9月の最終に何本か分まとめてのGoサイン。
釣りは禁漁を迎え、川に立つことは無いのかも知れませんが、あまりお待たせしてしまうのも考え物。
なるべく早く終わらせてお手元に届けたいものです。

今日の作業はTip折れの物件。
Topガイドパイプの数ミリ下でポキッと折れた状態なので、先端処理をして、必要長で差し込み径の調整。
その後、ガイド接着、ラッピング復旧、色止め処理、コーティングまで。
ほぼ目途が付きました。がこの物件のお客様、予備のTipの制作も依頼されています。

作り直しなら全てのパーツを外して清掃、その後新しいブランクに移植出来るのですが、元のは折れを治して使用という事ですので、新しいのはパーツを全て用意しなくてはいけないのでありますよ。
これがなかなかに悩ましい。
古い物は同じパーツが無かったりするものですから、ラッピングスレッドやガイド、フェルールなどまず余程でなければ手に入りません。
しかも、この竿、英国式の左ツイストなんです。これはまあ何とかなりそうです。で、フェルール。
これはもう作るしかありません。

大概の場合は問題が発生するのはTip側ですので、バット側のメスフェルールはまず問題ありません。
ですので作成するべきはオスフェルールという事になります。
よくよく観察、測定を行い図面を作図します。ラッピングをほどく訳にもいかず、差し込み先端のCap部の長さ、形状は悩みます。作図が完成したら旋盤で切削開始です。複雑なデザインでなければなんとか似た雰囲気には持って行けます。
以前制作したウィンストンのには悩みましたね。ウィンストン独自のデュロンズ合金が手に入らないので、手に入るニッケルシルバーとブラスを組み合わせ、焼嵌めで結合した上で制作しました。これも何となく雰囲気は出ましたがさすがに全体の色調までは出せなかったですね。

ウインストン

R.L.Winston 7’06” #4 3Pcs


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