まず3本修理完了

 

ペゾン、カプラス 修理完了

Pezon & CAPRAS

現在工房でお預かりしている修理品中3本が修理完了となりました。
1本がリールシート交換、もう1本がハンドルとリールシート交換
後の1本がティップのフェルール付け根での折れ修理です。

上のCAPRASはリングタイプのアップロックであったものをPezon純正シート金具でダウンロックに変更。
真ん中のPezonはWチェック交換、ハンドル形状変更とリールシートの作り直し、金具は元のをそのまま使用。
元のWチェック先端位置を基準としての長さの指定がありましたのでバット超が40mm程長くなりました。
ブランク長の不足分は錬金術?で延長し、リールシートを接続しました。
付属のくびれ部で折れたフェルールプラグもM1.7の細ネジで接続し治したのですが、完成後これも純正のロッドチューブに収めたところでハタと気が付きました。フェルールプラグ
フェルールプラグを嵌めた状態ではバットがチューブに収まり切らないのですね。バットエンド延長しましたからね。
一瞬どないしようかと焦りましたよ。で試しにプラグを抜いて入れてみたら何とかピッタリと収まってくれ、キャップのネジもきちんと最後まで締まってくれました。ただ、せっかく治したプラグが用をなさなくなってしまいました。
まあ、依頼主様のほうで考えて頂くしかないのかな、この場合は。

この会社のコルクスケルトンシートは外径がCap外径に合わせるのが標準だそうで、そうしますとリールフットが少々きつめの仕上りになります。コルクだからこそできる仕様であり、ウッドフィラーでは変形してくれませんのでリール装着がほぼ不可能かと思えます。コルクの微妙な変形を利用したこの方式は非常にガッチリとしたリールのホールドを可能にしていますね。
ほんのちょっとした事なのですが、良く考えられていてなかなかに興味深いものです。

下のPezonはティップのフェルール折れを修理したものですが、治してみて折れた理由が分かったような気がします。
ブランク径に対してフェルールが細い感じがしました。もう2/64インチ位太めのフェルールの方が適正な気がします。
これはパラボリックアクションを出すために同社が出した答えなのかどうか分かりませんが、オスフェルールのブランク挿入部の境の部分(キャップ部先端)に対してインパクトが大きすぎる気がしました。
力任せのキャストをした場合、この1点に大きな力が加わり、どうかするとまた折れが発生するのでは、と危惧します。
少しでも補強になればと思い、下巻をしっかりと施し、カッチリと固めた上でラッピングを施させて頂きました。
折れ防止の一助になればと願うばかりです。

普段何気なく仕様している竿ですが、修理などで通常は見えない処(見えてる処も含めて)を裸にしてみると、いろんな工夫や考えが盛り込まれていてそれはそれでなかなか面白いものです。

 

 


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